こんにちは、モモンガ先生(@momonga_est)です!
教師をしながら、ブログを書いています!
詳しくはこちらにまとめてありますので、ぜひ読んでください。
今日は、子ども同士のトラブルを対処するときのコツを紹介していきます!
そして、このコツは、我が子のトラブル(兄弟喧嘩など)にも使えますので、
教師だけでなく、保護者の方にも見ていただけたらと思います!
この記事を読むと、こんな事が分かります。
- 教師がもっておくべき心構え
- 事例の紹介と、その時の私の思考
それでは、見ていきましょう!
教師がもっておくべき心構え
前提として、私は「真実」と「事実」を区別しています。
そして、「真実は1つではない」ということを覚えておいてください。
真実=子どもの世界で起こったこと(主観)
事実=現実の世界で起こったこと(客観)
と考えています。
つまり、私は、人の数だけ真実があると思っています。
それぞれの真実が合致しないことが、子ども達のトラブルをこじらせていることが多いです。
そして、教師は神様ではないので、トラブルにおいて事実は分からないことも多々あります。
教師がするべきことは、子ども達の真実をすり合わせ、合致させることです。
もしかしたら、その合致した真実が事実と一致することもあるかもしれません。
教師の立ち位置ってこんなものだと思います。
もちろん子どもが嘘をついている場合には、周りの子どもから話を聞くなどして、
事実をすり合わせていく必要があります。
今回は、子どもが自分たちなりの真実を話しているという状況での、教師の働きかけについて考えていきます。
その上で、結論からいきます。
教師がもっておくべき心構えとは、
「納得感をもたせる」
です。
納得感がないことには、どんな素晴らしい指導も子どもには伝わりません。
ただ、納得感というと少し抽象的なので、もう少し具体的に考えていきましょう。
納得感をもたせるためには、次のようなことが必要です。
- 子どもとの信頼関係
- 子どもに考えさせる
- なぜ叱られるのかという論理
それぞれ、解説します。
子どもとの信頼関係
大人でもそうですが、
「この人から言われたら、納得できるなぁ。」
という人っていますよね。
反対に、何の信頼関係もない人から叱られても、
「なんだこの人。」
となるわけです。
普段からしっかりと信頼関係を築き、良いところをしっかりと認めることで、
指導が子どもに伝わるようになるのです。
子どもに考えさせる
教師が
「これは○○だから、してはいけない。」
というのは、子どもにとっては受動的な話の聞き方です。
「教師が言っているから、してはいけないんだ。」
という認識を子どもに与えます。
教師から伝えるのではなく、
「なぜいけないのかな?」
と問いかけることで、子どもの中に
「なんでいけないのだろう?」
という、疑問をもたせます。
考え方としては、ソクラテスの問答法と同じです。
自分で考えて出した結論は、能動的な思考によって出されたものなので、
「だからいけないのか。」
という結論に、納得感が生まれやすくなります。
そして、それを必ず言語化させるようにします。
被害者がいるようなトラブルの場合には、これを使って、
「A君(加害)はこう言っているけど、B君(被害)は納得できる?」
というふうに、加害児童と被害児童の認識がすれ違わないための材料になります。
なぜ叱られるかという論理
上で書いたように、子どもに考えさせて言語化させた後に、
子どもの考えを認めつつ、教師から見た問題点も伝えるといいでしょう。
それについても、どうすればよかったかを子どもに考えさせることで、
トラブルを通した学びにもつながります。
話し合いの最後に、出来事の流れとそれぞれの課題点を論理的にまとめる事で、子どもが理解しやすくなります。
事例の紹介と、その時の私の思考
ここからは、実際に私が経験した事例と、その時の私の思考について紹介していきます。
それは、男児同士の喧嘩でした。
それぞれの言い分としては、
A君「休み時間が終わって教室に戻る時に、後ろからB君がぶつかってきたから、腹が立って持っていたボールをB君に向かって投げた。」
B君「教室に戻ろうとしたら、いきなり後ろにいたA君からボールを投げられた。」
というものです。
「教師がもっておくべき心構え」でお話ししたように、A君の真実とB君の真実が食い違っています。
どちらも本当のことを言っていて、二人にとっては真実なんです。
ここで、教師がどちらか片方を否定してしまうと、否定された児童には指導は入りません。
ちなみに、今回のポイントはA君です。
A君にいかに納得感をもたせられるかが、この真実のすり合わせで重要なポイントになります。
では、思考の過程を辿ってみましょう。
まず、事の発端は「ぶつかった」というところです。
A君は「ぶつかってきた」と言っていますが、これを教師がそのまま受け取ってしまうとB君は納得できません。
なので、私は、
「A君に向かってきたの?それとも、近くを通る時にぶつかった感じかな?」
と聞きました。
この確認は必須です。
理由は後述します。
A君は、「僕に向かってきた。」と言いました。
たいてい、この段階での子どもはこう言います。
ここが真実のすり合わせのポイントです。
先ほど確認が必須と言ったのは、このポイントにもってくるためです。
後ろからぶつかられているので、実は向かってきたB君を見ていなかったのです。
「どうして後ろからぶつかられたのに、B君が見えたの?」
と聞くと、自分の真実の矛盾に気付きはじめました。
「わざとじゃなかったかもしれない・・・。」
と言ってくれました。
B君は、思い出してみるとぶつかっていたようで、
「その時に気付いて謝れたらよかったね。今度から気をつけよう。」
と言うと、すんなり納得していました。
もう一度A君に話をします。
「B君はたしかにA君にぶつかったみたい。でも、わざとではなかったんだって。そこは理解してあげられる?」
と聞くと、頷いてくれました。
ここで、話をまとめていきます。
「A君が帰ってくる途中に、後ろから走ってきたB君が、わざとではないけどぶつかった。
腹が立ったA君は、B君に向かってボールを投げたんだよね。」
これが真実をすり合わせた結果の確認です。
そして、
「今話してみて、自分が気をつけたらよかったところってどこ?」
と尋ねると、
A君「ぶつかられたときに、落ち着いて話せばよかった。」
B君「ぶつかったときに、すぐに謝ればよかった。」
と答えました。
「じゃあ、今回の自分のよくなかったところは、相手に謝ろう。」
と言うと、
A君「怒ったからっていって、ボールを投げてごめんね。」
B君「ぶつかったのに何も言わずに行こうとしてごめんね。」
と謝ることができました。
まとめ
最初に話を聞いた段階で、
「腹が立ったからといって、ボールを投げたらだめ!」
と入っていたら、ここまでの納得感はなかったでしょう。
互いに事情があることを理解した上で、より適した気持ちの伝え方や発散の仕方を教えることが大切です。
もちろん、繰り返し喧嘩は起こるのですが、私たち教師ができることは、
「繰り返し伝えていく」
ということしかないと思います。
「事実を解明しなきゃ!」
という先生方はかなり多いのですが、私たちは神様ではありません。
事実を解明しようとすると、事実が分からないことがストレスになります。
そして、子ども達に、
「はっきり覚えてないの!?ちゃんと思い出して!」
と無理難題を言ってしまったり、むりやりな結論を押し付けてしまったりします。
どうかトラブルに対して指導をするときは、
「子ども達に納得感をもたせるには、どうすればよいか」
を考えながら、指導をしてみてください。
ちなみに、ここまで読んでいただいて申し訳ないのですが、
全てのトラブルが上記のように上手く解決できるわけではありません。
こじれて時間がかかることも多々あります。
トラブル解決の万能薬ではなく、トラブルを解決しやすくする基礎体力のようなものだと思ってください。
基礎体力(納得感をもたせる意識)があると、風邪(トラブル)もすぐ治ります。
そんな感じです。
今後もこのブログでは、
「教師になりたいけど、どうしたらいいんだろう…?」
という、教職を目指している方や、
「憧れの教師にはなったけど、うまくいかない…。」
といった現職教師の方にむけて、
教師になるための道のりや、現場での業務効率化の方法、授業で使えるアイデアなどを発信していきますので、
ぜひとも読んでいただけたらと思います!
それではみなさん、また明日!
気をつけ!礼!
さようなら!